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雪の日に祝福を・・・。
第4章  呪縛の門出
  


「若狭、ちょっと来なさい。」


「はい。」


 部長にとうとう呼び出され個室に入る。


「事情は、訊いたが社内が君の噂で持ちきりだ。なにか言うことは、ないか。」


「それは、退社するか移動するか決めろと言うことですか?」


 回りくどく上司に〝ハッキリ言え〟と意味を込めて質問してやった。


「まぁ、君が部署に居辛いのならいくらでも用意があるということだ。」


「私は、大丈夫です。この仕事が好きですし誇りもあります。
 1回結婚に失敗したくらいで仕事を変えていたら私が築いたキャリアが勿体ないですから。」


「そう、か・・・」


「はい。お話しが済んだのでしたら失礼します。」


 一礼をして言い返しがある前に部屋を出た。


「(来ないでっ!!)」


 部屋を出ると部署から駆け寄って来そうな彼が見えて視線だけで制止して自分の席に戻った。


「大丈夫ですか、先輩。」


  
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