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雪の日に祝福を・・・。
第4章 呪縛の門出
「「おめでとう!!」」
華やかな会場に眩しいライト。明るく陽気な音楽に大きな祝福の拍手と歓声が響いている。目眩を感じながらそれを異次元の出来事のように見つめる。
親族だけでチャペルでの式を終えてすぐに披露宴へと移行した。
2人の結婚への経緯などあまり興味がないのか招待客たちは、皆楽しんでいるように見えた。
「2人共。」
「お姉ちゃん・・・」
「私は、これで失礼するわ。」
披露宴が始まってしばらくして邪魔者である自分は、いなくなることにした。
「倖せになりなさい。」
「お姉ちゃん・・・」
「月依・・・」
2人は、笑顔で去りゆく彼女を静かに見つめていた。
自分に向けられるハズだった祝福の色の中を出て行く。
》 》
ひとつの愛に区切りを無理矢理に表面上付けた。
新たに誓ったのは、もう〝愛に振り回されない〟こと・・・