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雪の日に祝福を・・・。
第6章 年下の男の子
いいや、〝休まされた〟が正しい言い方だ。
弱っていた身体と心は、あっと言う間に全てを変えた。
《 《
「お姉ちゃん。」
「しつこいわねぇ。なにをしに来たの?」
「食事、摂ってるかな・・・って心配で。」
「大丈夫よ、子どもじゃないんだし。それよりも瑠々こそいいの?」
「え?」
「妊婦が寒空の下出歩いて。」
「〝運動した方がいい〟って。」
「あ、そう。ほら、下に旦那を呼んだから帰りなさい。」
「お大事に・・・」
「はい、さよなら。」
ドアを閉めゆっくりと歩く妹の足音を訊きながらため息が出る。
「月依さん、お茶が入ったよ。」
「あぁ、ありがとう。」
振り返った先の青年の姿と声に少しだけ気分が和らいだ。
「ねぇ、燵夜くん。」
コタツに入りお茶を一口飲み込む。
「もう帰って大丈夫よ。うちのセキュリティーしっかりしているし。」