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雪の日に祝福を・・・。
第7章 傾くシーソー
もう愛することなど、トキメクことなどいと思っていた。独りで居ようと思っていた。
《 《
「おーい、青年。」
いつの間にか日常に溶け込み存在が当たり前になって青年がリビングのコタツで眠っている。
「ふふ、いつもと立場逆ね。」
洗濯機を回しゴミを片付けて青年を起こさないように掃除もして食事を作った。
在宅ワークを始めてから半月が過ぎようとしているのに仕事の電話は、ない。代わりに妹夫婦からのメッセージは、山ほどスマホに届いていた。
「そろそろ、出社・・・しないとね。」
スマホを手にしてベランダに出る。久しぶりの番号を押した。
「社長、ご無沙汰しています。
ええ。体調は、大丈夫です。そろそろ出社しようかと思いまして・・・」
「そうか、よかった。君も即戦力だからね。」
「ありがとうございます。来週からでも戻らせてもらっていいですか?」