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雪の日に祝福を・・・。
第7章 傾くシーソー
「(どうしよう・・・もう要らないって思っていたのに。)」
温もりが自分を癒やしているのがよく判る。
「クリスマスイブに・・・結婚するハズだたの。」
なぜか青年に語りたくなった。自分の気持ちに驚いている。
「私の誕生日。祝ってもらった記憶のない私の誕生日。初めていい思い出になるハズだった。」
何度思い返しても涙しか出ない。青年は、黙って訊いてくれている。
「でも、結婚を1週間に控えた雪の日に婚約破棄された。1週間よ。
全く、馬鹿にしているでしょう。しかもその理由を彼が言って耳を疑ったわ。〝私の妹と浮気して子どもを孕ませた〟って・・・信じられない。
3年も付き合って1週間後に結婚式の本番だったのに・・・私の妹とだなんて・・・・・・っ。」
言葉が上手く出来ない。息も苦しい。
この感情に名前を付けられない。
「もういい!もう、判ったから・・・」