この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
籠鳥 ~溺愛~
第3章
それから一年間――。
鏡哉は過干渉とまではいかないまでも、美冬のことを心配するあまり色々と世話を焼きたがった。
あまりに酷い時は美冬の印籠、
「私、子犬じゃないんだから、自分でできます〜〜!」
をかざせば、鏡哉も思いとどまってくれていた。
規則正しい生活を送っているのに、美冬の身長は変わらず小さいままで、体重も少しだけ増えたくらい。
胸に至ってはまな板だった一年前に比べ、なんとかBカップになったが、どうやらこれ以上は成長してくれないらしい。
同級生の女子達と見比べると、顔も童顔な美冬は、やはりまだ中学生のように子供っぽかった。
「う゛〜〜ん……」
いつものように鏡哉に髪を乾かしてもらいながら、美冬は唸る。
「うん? 熱い?」
背中越しに心配した鏡哉が尋ねてくる。
「いえ、気持ちいいです」
「じゃあ、何?」
「う〜〜ん、私、見た目こんなのじゃないですか?」
「こんなの?」
「子供っぽいっていうか――」
「ああ、ロリ専?」
聞きなれない言葉に、美冬が首だけで振り返る。
「ロリ……なんですかそれ?」
「ロリータ専門」
ぐさ。
(ロ、ロリータ……鏡哉さんから見ても、そこまで子供っぽいのか、私)
「どうして今になってそんなことを気にするの?」
「いえ、なんとなく……」
「でも美冬ちゃん可愛いし、モテそうだけれど」
「モテ……はしないです」
「告白されたりしない?」
実は美冬は2ヵ月に一回は告白されていた。本人は気づかないが、世の中にはロリ専が結構いるのだ。
「う〜ん、たまにされますけど」
「え、されるのか?」
「え、ええまあ」
「今付き合ってるヤツは?」
「い、いませんよ、そんなの!」
実は恋に奥手な美冬は初恋もまだだった。
「ふ〜〜ん……」
鏡哉はそう呟くと、少し不服そうな返事をする。
美冬が少し首を傾げて首だけで振り返ると、頬に柔らかい何かが触れた。
チュ。
可愛らしいリップ音を立てて、鏡哉が唇を離す。
(……え?)
「美冬ちゃんは、私のもの」
「……へ?」
凍り付いて動かない美冬をいいことに、鏡哉は座っていたソファーの自分の膝の上に美冬を抱え上げた。
「私の可愛い子犬を他の男にとられるなんて、許せない」