この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
籠鳥 ~溺愛~
第13章            

 美冬は億劫そうにそれを一口飲むと口を開いた。

「もう、やめて下さい。こんなこと――」

「こんなこと?」

 問い返すと、美冬は苦しそうな表情でこちらを見つめてきた。

 赤く潤んだ瞳に見詰められるだけで、鏡哉の雄がぞくりと反応する。

「こんなこと、鏡哉さんが傷つくだけ……」

「私が?」

「鏡哉さんは、こんなことする人じゃない。私の――」

 美冬がそこで言葉を区切る。

「私のせいだって、分かってます。私が、悪いんです。私が……」

「そうだ。美冬がキスを強請ったから悪いんだ」

 鏡哉は美冬の言葉を遮ってそう言い放った。

 びくりとした美冬の瞳に涙が盛り上がり、一杯になって零れ落ちる。

「ご、ごめんなさい――」

「許さない」

 鏡哉の厳しい言葉に美冬は言葉につまり、部屋には沈黙が落ちる。

「――――き」

 沈黙を破った美冬が何かを呟くが、声がかすれて聞き取れない。

「………?」

「好き、なんです、鏡哉さんのこと――」

「………」

「好き――」

 美冬は涙を零しながら、まるで訴えるように鏡哉に呟く。

 リボンの跡が少し残った細い腕を伸ばし、鏡哉のシャツの袖を握りしめてくる。

「………」

 鏡哉は美冬の膝の上のトレーをサイドテーブルに避けると、その大きな掌で美冬の両頬を包んで自分と視線を合わせた。

 美冬の涙が掌を伝ってベッドにぱたりと零れ落ちる。  

「知っているよ、そんなこと」

「………え?」

 美冬が戸惑った表情で鏡哉を見返す。

「美冬は好きでもない相手に自分の体を開く程、器用でもないこともね」

「………」

「もちろん――」

 鏡哉は頬から手を放すと、美冬の腕を手に取り痣が残った腕にキスを落とす。

「私も君のことを好きだ――いや違うな……愛している」

「………!」

 何にそんなに驚いているのだろう、美冬は絶句し硬直していた。

「私だって愛してもいない相手をここまで抱いたりしない。っと言っても自分の気持ちに気づいたのは……そう。美冬が可愛らしく『めちゃくちゃにして』っておねだりしてくれた時だったが」

 美冬の頬がさっと朱に染まる。

「あの時までは、私は美冬の保護者として君を慈しんできたはずだよ。それを君が壊した」

/188ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ