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籠鳥 ~溺愛~
第14章
週末は好き。
鏡哉が付き切りで勉強を見てくれる。
大検の勉強はもちろん大学受験の勉強もしなければならない美冬は、鏡哉の勧めもあって予備校の通信講座を受講し始めた。
分からないことがあると、鏡哉が噛み砕いて教えてくれる。
それと同時に帰国子女である鏡哉は、美冬に英語の家庭教師もしてくれる。
上手く発音すると褒めてくれるし、英語で口説き文句など言われた日にはうぶな美冬は卒倒しそうになってしまう。
運動不足になるといけないからと、土曜の夜中はマンションのジムにある温水プールを貸切にしてくれた。
あまり泳げない美冬は少し泳ぐと休憩し、鏡哉の美しいフォームの泳ぎを見て過ごす。
見蕩れていると「こら、運動しろ」と鏡哉に怒られ、プールの中に引きずり込まれる。
水中でキスをするのはちょっと苦しいからやめてほしい。
たまに背中に美冬を背負って泳いでくれるのが気持ち良くて、美冬は大好きだった。
そしてまだ幼い美冬のビキニ姿を見て欲情した鏡哉が、ビーチベッドの上でことに及びそうになるのを、美冬はいつも抑えなければならなかった。
プールから戻ると、鏡哉は決まって美冬を朝まで抱く。
「塩素の匂いがする」
ちゃんとシャワーを浴びたはずなのに、美冬の首元に顔を埋めた鏡哉はなぜか嬉しそうにそう言う。
そしてそういっている間にも、両手で美冬の細すぎる体を愛撫していく。
「塩素の匂いって嫌いじゃないんだ、なんか、禁欲的な感じがして――ドキドキする」
鏡哉はそう言って美冬の左胸の上で掌を止めた。
自分の加速する鼓動を感じとられていると思った美冬は「やっ」っと身じろぎする。
(そんなこと考えるなんて、鏡哉さんだけだよ)
美冬は心の中でそう突っ込む。
それに気づかれたのか鏡哉が自分の胸を美冬の鼻の近くに寄せる。
「塩素の匂いしない?」
美冬はくんくんと嗅いでみる。そう言われると微かに塩素の匂いがした。
その途端、どくりと胸が高鳴った。
「まるでプールで美冬を抱いてるみたいだ」
鏡哉はそう言いながら美冬の肌を嗅ぎながらキスの雨を降らせていく。
美冬は恥ずかしくなってやめてと懇願する。