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第1章 好きな人


「此処が、俺の⋯アトリエのような所だ」

私の目の前にあるのは、普通のアパートだった

「ついてきてくれ」

階段を上がる祐介くんの後ろをキョロキョロ辺りを見回しながらついて行く

そして2階のある1室の前に止まった

表札には、

“西川”

の文字

西川祐介⋯くんなのかな?

考えている間にガチャりと鍵が開いた

「どうぞ」

祐介くんがドアを開けて中へ入る

私もそれに続く

「お邪魔します⋯」

靴を脱いで、端の方へ揃えて置く

パチンっと電気が付いた

そこには、何枚もの絵が飾ってあって、真ん中には、イーゼルに立てかけてあるキャンバスがあった

それを見た瞬間、本物だ⋯と感じた

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