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第1章 好きな人
「すまない⋯散らかっていて」
「全然大丈夫」
そう言いながら、イーゼルに立てかけてあるキャンバスは、こちらに背を向けていたので、何が描いてあるのかなと、覗き込んだ
しかし、キャンバスは真っ白な状態だった
あれ⋯と思わず口を零すと祐介くんが
「⋯テーマが、思いつかないんだ」
顔を見ると、悲しそうな表情をしていた
⋯テーマ?
「この間、描いた絵を、コンクールに出したんだが、あまりいい評価は得られず、何を伝えたいのかが分からないと酷評までいただいた⋯」