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第1章 好きな人


「⋯他の絵も、見てもいい?」

「もちろんだ」

部屋の隅に立てかけてある絵を、色々見せてくれた

「わ⋯凄い⋯!」

人物画や風景画、どれも綺麗で繊細で、作品1つ1つへの思い入れが感じられた

「どれも好き!こんな絵が描けるなんて、やっぱり祐介くんて素敵な人だね」

1つずつまじまじと見つめながら言う

「⋯」

そんな私を見つめている祐介くんに、私はまったく気づかない

「輝いているな⋯」

「え?」

何か言ったように聞こえた

「光莉」

ドキン

真面目な声のトーンと、真っ直ぐな顔で私を呼ぶ

な、何⋯?

胸の鼓動が止まらない



「俺の絵のモデルになってくれないか?」


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