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train perfume
第2章 近づく距離

駅に着くと、彼は私の手を引っ張って降りた。
この路線しか通ってない駅で、人はほとんどいない。
「大丈夫?」
低いけど、さっきと違って優しい声でベンチに座る私を覗き込む。
「あ、はい。もう落ち着きました。いい年した大人が、高校生に助けてもらうなんて....ごめんなさい。」
「俺は高校生でも男で、オネーサンは大人でも女なんだから、そんなのいいよ。」
見れば見るほどイケメンで、言ってることまでかっこよくて、こんな時なのにドキドキしてくる。
「俺、いつもあの電車に乗ってるから、明日からは俺の近くにいなよ。そしたらもう危ない目には合わないだろうし。」
うん、知ってる...ここ最近、ずっとあなたを楽しみに電車に乗ってたんだもん...
って、え!?

