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train perfume
第2章 近づく距離

「なに、だめなの?」
あまり表情をかえないみたいだけど、少し不満そうに聞いてくる。
「えっ、いやっ、だめじゃないけど...申し訳ないっていうか...友達と待ち合わせてたり..してないの?」
そんなの分かってることなのに、でも図々しいとか思われたくなくて、聞いてみる。
「してないよ、いつも1人で暇だったし、ちょうどいいよ。だめじゃないなら決まりね。」
「うん...ありがとうございます...」
なんだか嬉しいような、恥ずかしいような...
彼のおかげで、さっきまでの電車の中での嫌なことなんて、ほとんど頭から消えていた。

