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囚われる…
第4章 馨…
寒い…。
身体が震える。
自分が裸だと感じた。
ベッドが軋む音がする。
「ああっ!ああっ!もっと!いい!」
AVで聞いた事があるような声がする。
ベッドのシーツも俺の身体もベタベタとして冷たくて気持ち悪い…。
頭を振って起き上がろうとした。
尻と腰と背骨に激痛が走りやがる。
「うぐっ…。」
情けねぇ…、動けねぇ…。
首は動くから辺りをちゃんと見渡してみる。
「あぁーん!イクッ!またイッちゃう!」
叫び声の方を見た。
ゆさゆさと揺れる乳房…
全裸の女が膝立ちで髪を振り乱している。
女の陰部には見覚えのあるデカい手があった。
その手が女の陰核を弄りながらまんこを広げているから、女がしっかりと後ろから挿れられた男の象徴と繋がっている部分までが見える。
そんな卑猥な光景を生で見ているのに性的に興奮をする感情は全くなく、むしろ冷めた気持ちと不思議な怒りを感じてしまう。
パンパンと肉と肉が当たる音がする。
女の喘ぎ声はもう悲鳴に近くなっている。
その女と繋がって女を抱いているのは馨だ。
「馨…。」
まだ動かない身体で激痛に耐えて上半身を起こした。
「起きたか?」
「きゃあ!?」
嬉しそうな馨の声…。
馨と繋がっていた女は突然、馨に突き飛ばされてベッドから転がり落ちていた。
なんなんだ?
理解が出来ない。
馨が俺を抱いた…。
なのに今は意識を失くした俺の横で別の女を抱いている。
俺の意識が戻った途端に馨は女から離れて俺を抱きかかえて来る。
「起きたか?身体はどうだ?腹は減ったか?」
俺の頬にキスを繰り返しベタベタに汚れた俺の身体を馨が撫で回す。
「やめろよ!」
動かない身体で馨に抵抗をする。
「何故だ?」
「女が居るんだろ?」
「あぁ…、さっさと出て行けよ。」
馨が女に向かってそう言うと女は怯えた顔をして床に散らばる服をかき集めながら部屋から出て行った。