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僕の彩芽
第12章 十二
「おい、ポチ、起きろ」
「んっ……」
「起きろ。起きろって言ってんだろ?」
翌朝。……いや、午後か。ベッドで寝ていると、体を揺さぶられて私は目を覚ました。
ベッドの側に立つ秋人さんは、そんな私へ唐突に告げる。
「温泉旅行に行くぞ」
「えっ……温泉旅行……?」
「こないだ言ってただろ。連休旅行に行くって」
「行ってましたけど、今日ですか?!」
「ああ。もう豪は準備してリビングにいるぞ」
え、えぇぇぇ!そんな突然!どうしよう。今日もエルで働かないといけないんだけど……。
体をお越しながら、秋人さんの無表情な顔を見る。
……ま、いっか。蝶子さんも私がマンションにいないなら諦める筈。
「ポチも早く準備しろ」
「はいっ!」
そのまま私は元気に返事をして、ベッドから降りた。