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僕の彩芽
第14章 十四

 という訳で、この度雪ノ下彩芽は、九条彩芽になりました――

「おめでとうございます!秋人さん!彩芽!これ、俺からの結婚祝いです!」

「すまんな、豪。気を使わせて」

 翌日の朝、リビングで豪が秋人さんへお祝儀袋を渡した。秋人さんが受け取りながら微笑むと、豪はそのまま涙ぐむ。

「うう……秋人さん!まさか、何で彩芽と……。いや、秋人さんが撰んだんだから間違いはないっす!本当におめでとうございます!二人が結婚して、俺嬉しいです!」

 その涙をティッシュで拭いてあげる秋人さん。

「泣くな。お前も彼女が出来ただろ?」

 ……えっ?!そうなの?!私何も知らない!もしかしてそれって……。

「えへへ。はい……。さくらと付き合う事になりました……」

 照れくさそうに頭をかく豪。その言葉に、私は大声を出した。

「えー!そうなの?!豪!」

「おう……。旅館で告白されて、俺も好きって気づいて……」

「そうなんだ!おめでとう!」

「ありがとな、彩芽」

 私の言葉ににかっと笑う豪は、誰より幸せに見える。




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