この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第7章 七
「どういうつもり?お金貸すなんて言い出して!」
「俺は秋人さんが好きだ。だからお前がいると邪魔なんだよ。このまま部屋から出て行ってくれれば、秋人さんは俺のもんだ!」
妄想が激しい野郎なのか。目をうっとりとさせて、豪はソファの上のクッションをぎゅっと抱き締めた。
「……そういうことか」
どうしたら自分のものになるって自信が沸いてくるんだろう。ま……良いや。お金を貸して貰えるなら、こんなにラッキーなことはない!
「豪、500万貸して!」
「それ秋人さんに渡して部屋から出ていけよ?」
「うん!」
「よし。じゃあ今から用意してくるわ。ちょっと待っとけ」
牛乳を持ったまま喜ぶ私へ豪は言うと、クッションをソファに置いて立ち上がる。そして玄関へ歩いて行った。
「……や、やったぁぁぁ!」
秋人さんのペットから解放される!自由になれる!短い間だったけど苦しかった……。
「うう……」
今日まで2日間の事を思い出し、思わず私はキッチンに立ったまま泣いていた。――それから約10分後、銀行でお金を下ろして来た豪は、約束通り私に500万もの大金を渡した。