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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第6章 そして、その後

「おはようございます、スグリ姫様。」
「おはよぉお、バンシル…」
お誕生日から、数日後。
スグリ姫はふわぁ、と大きなあくびと深呼吸をして、そのあと唸って、俯きました。
「来た…やっぱり、きた…」
「来ましたね。はいどうぞ」
慣れた物で、バンシルは唸っている姫に月のものの手当て用品をてきぱき渡して、姫が手当てを終えると、まだそんなに汚れては居なかった汚れ物を回収しました。
「来なかったらおおごとですって、前にも言いましたよね」
「うん…」
以前サクナが居なかったときには、月のものが来ないで赤ちゃんが来たらいいのにと思って、切なくなったこともありました。が、今ではそんなに急がなくても、来たくなったら来てくれるだろう、と思うようになっておりました。
「旅に出るのはお辛いでしょうから、月のものが終わったら出発にして貰いましょう」
「…そうね…」
「南に行く為の準備をする時間が増えますから、有り難いですよ」
「え?バンシルも行くのっ!?」
スグリ姫はバンシルの言葉に、一瞬歓喜しました。
「あ。…違うわね、私の支度、よね…」
歓喜した次の瞬間、姫は自分に都合の良い思い込みかもしれないと思いなおして、一人で急上昇と急降下を致しました。
「あら、サクナに聞いてませんか?」
バンシルは、そんな姫にさらりと言いました。
「ご一緒しますよ。頼まれごとをしたんです。サクナだけじゃなく、大臣様にも、お」
「バンシルぅうううう!!嬉しい!!」
言葉が全部終わらないうちに、また喜びが急上昇した姫が大喜びで抱き付いてきたので、バンシルは姫を抱き止めながら溜息を吐きました。
「今回は、ですよ…お嫁入りに付いて行けるかは、分かりませんよ?」
「それでも、初めて行くところに、一緒に行けるのは嬉しいわ!!」
「そうですわね。私も、お供できるのは、嬉しいです」
幼馴染で乳兄弟の二人は、顔を見合わせて小さく微笑みました。
「さ、お召し替えをして髪を結われたら、ゆっくりなさいませ。旅支度も、調子を見ながら少しずつ致しましょうね」
バンシルはそう言って、姫に着替えを促しました。
そして、彼女にしては珍しく、心からにっこりと笑ったのでした。
【終 そして続く】
「おはよぉお、バンシル…」
お誕生日から、数日後。
スグリ姫はふわぁ、と大きなあくびと深呼吸をして、そのあと唸って、俯きました。
「来た…やっぱり、きた…」
「来ましたね。はいどうぞ」
慣れた物で、バンシルは唸っている姫に月のものの手当て用品をてきぱき渡して、姫が手当てを終えると、まだそんなに汚れては居なかった汚れ物を回収しました。
「来なかったらおおごとですって、前にも言いましたよね」
「うん…」
以前サクナが居なかったときには、月のものが来ないで赤ちゃんが来たらいいのにと思って、切なくなったこともありました。が、今ではそんなに急がなくても、来たくなったら来てくれるだろう、と思うようになっておりました。
「旅に出るのはお辛いでしょうから、月のものが終わったら出発にして貰いましょう」
「…そうね…」
「南に行く為の準備をする時間が増えますから、有り難いですよ」
「え?バンシルも行くのっ!?」
スグリ姫はバンシルの言葉に、一瞬歓喜しました。
「あ。…違うわね、私の支度、よね…」
歓喜した次の瞬間、姫は自分に都合の良い思い込みかもしれないと思いなおして、一人で急上昇と急降下を致しました。
「あら、サクナに聞いてませんか?」
バンシルは、そんな姫にさらりと言いました。
「ご一緒しますよ。頼まれごとをしたんです。サクナだけじゃなく、大臣様にも、お」
「バンシルぅうううう!!嬉しい!!」
言葉が全部終わらないうちに、また喜びが急上昇した姫が大喜びで抱き付いてきたので、バンシルは姫を抱き止めながら溜息を吐きました。
「今回は、ですよ…お嫁入りに付いて行けるかは、分かりませんよ?」
「それでも、初めて行くところに、一緒に行けるのは嬉しいわ!!」
「そうですわね。私も、お供できるのは、嬉しいです」
幼馴染で乳兄弟の二人は、顔を見合わせて小さく微笑みました。
「さ、お召し替えをして髪を結われたら、ゆっくりなさいませ。旅支度も、調子を見ながら少しずつ致しましょうね」
バンシルはそう言って、姫に着替えを促しました。
そして、彼女にしては珍しく、心からにっこりと笑ったのでした。
【終 そして続く】

