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イかせ屋…
第3章 AV



泣き続ける私を優しく抱きしめてくれる。

温かく私を包み込むような優しい抱擁。

彼の着物からは甘い香りがする。


「辛かったんだな。」


そう言って髪をゆっくりと撫でる。

自分では割り切ってるつもりだった。

だけど、ほんの一瞬でも愛した男に騙されて裏切りを受けてたという事実は私が思うほどは割り切れてなかった。


「大丈夫…、梓…。今夜はゆっくりおやすみ。」


布団がかけられて曽我さんの腕の中で眠る。

曽我さんの甘い香りが気持ち良くてすぐに眠りへと引き込まれた。




ここはどこ?

目覚めた私は布団の中で1人だ。

夕べ着た、ほとんど布地のない水着のまま本当にぐっすりと眠った自分に凹みたくなる。

枕元にはバスローブがある。

私の服が無くなってる。

この場合、曽我さんに対して警戒をすべきなのか信用をすべきなのかを迷ってしまう。

間違いなく、曽我さんは私に変な事はしなかった。

私が嫌だと言えば止めると言ってくれる人。

信用をしてもいいと思う?


「起きたか?」


襖の隙間から曽我さんの声がする。


「そのバスローブを着て出て来い。」


不思議と素直に曽我さんの言葉に従う。


「おいで…。」


肩を抱かれてまた長い廊下を歩く。


「綺麗になって来い。」


立派なお風呂場の脱衣場に連れて行かれた。

曽我さんが出て行き私1人にされる。

お風呂を覗いてみる。

なんですか!?

ここはお風呂屋さん?

残念ながら壁には富士山の絵がない。

でも、10人は使える洗い場に湯船は温泉にあるような岩風呂が見える。

サウナもある。

脱衣場の籠にはフカフカのタオルに高級シャンプーとリンス、トリートメントなどが揃ってる。

洗顔料も高級品。

人生初!至れり尽くせりという朝風呂のお時間。



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