この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イかせ屋…
第4章 ルール
2日ぶりの我が家…。
何故か懐かしいとか感じちゃう。
玄関の鍵を開ける。
扉を開くと
「ひっ!?」
と思わず悲鳴が上がる。
「梓…。」
付き添ってくれてた昌さんが私をしっかりと抱きしめる。
「清、警察に連絡をしろ。」
「はい…。」
清さんがマンションの外に出た。
安物の1Roomマンション…。
玄関の扉を開ければ中は奥まで丸見えという小さな部屋。
その私の部屋は泥棒が入ったかのように荒らされてる。
引き出しという引き出しが開けられ、クローゼットも開いてる。
ご丁寧に窓ガラスも割られてる。
「なんで…。」
こんな事に…。
怖くて身体が震え出す。
「嫌がらせだ。」
私の背中を撫でながら昌さんがゆっくりと言う。
「嫌がらせ?」
「窓ガラスは内側から割られてる。外部侵入に見せかけてはいるが、多分、岡部を探しに来た別の借金取りの嫌がらせだ。」
「なんの為に?」
「梓を脅す為、今からでも梓に連帯保証人をさせて借金の返済をさせようとするつもりなら、梓を恐がらせるのが一番だからな。」
なるほど…。
逃げた雄君を探すよりも私に連帯保証人をさせた方が早い。
しかも、こんな怖い思いをすれば、私は間違いなく素直に連帯保証人になってしまう。
「昌さん…。」
思わず昌さんにしがみつく。
「大丈夫…、警察が来たら全て俺に任せてくれ。梓はただ怯えて話が出来ないって顔だけをしてろ。」
「私は話をしないのですか?」
「そう、その方が梓は可愛いから。」
昌さんが微笑む。
悪戯っ子の顔…。
とにかく、昌さんに任せてみようと思う。
この人なら絶対に悪いようにはしない。