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イかせ屋…
第8章 決別



「梓…、諦めるか?」


タイムリミットまで10日を切った日の夜、昌さんが私にそう言う。


「昌さん…。」

「やめよう。2千万は俺が出す。だから、梓が無理をする必要はない。」

「それは…。」


2千万を払って迷惑な女とさっさと手を切りたいって意味ですか?


「昌さんを信じたのに…。」


私は何を言ってんの?

昌さんが2千万を払ってくれると言ってんだから、ありがとうで終わらせて、私は普通の生活に戻ればいいだけじゃない?

昌さんにとって2千万なんか1時間で稼げるはした金…。

割り切っちゃいなよ…、梓…。


「俺の考えが甘かった。俺ってイかせ屋としても男としても未熟だって事だ。」


寂しく昌さんが笑う。

梓…!あんた、昌さんの事を諦めるの?

昌さんに対する気持ちはその程度なの?

自問自答を繰り返す。

昌さんが好きなくせに昌さんを利用する考え方をすれば雄君と私は同じ人間になってしまう。


「1つだけ…、試したい事があります。」

「なんだ?」


これを切り出すのはかなり辛い話…。

だって…、これを言えば私は間違いなく変態女になってしまう。


「昌さんに…、私がおしっこをするところを見て欲しいんです。」


言っちゃった!?

昌さんが驚愕の顔をする。

死にたい。

今すぐに穴を掘って自分を埋めてしまいたい。


「梓はそれでいいのか?」


昌さんが優しく私を抱きしめる。

いつものように髪を優しく撫でて来る。


「はい…。」


1度見せてしまえば、きっと私の身体と頭がサバサバと開き直るはず…。

もう時間がないのだから、これしか方法がない。


「梓の為ならなんでもしてやるよ。」


昌さんが優しくキスをしてくれる。

だから、大丈夫!

昌さんの為なら何でもしちゃう。

私は昌さんになら見せられると確信をした。



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