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オネエ様の城
第10章 出発
何度も携帯に電話するけど出ない。

「佐助さん、アイツどこで働くか聞きました?」

「それが、何回聞いても答えなかったんだよ。

涼真くんは聞いてると思ったんだが」

アイツ…

ライブハウスのバイトも辞めやがって。

俺はすぐまた会えると思ったから引っ越すことに

反対しなかったのに。

「それよりいいのかい? 

プロデビューの話きてたんだろ?断ったって…」

「…すごく迷いました。

いいんですよ。

もしかしたら今度は解散せずに

やっていけるんじゃないかって。

俺にとって このライブハウスで演奏するのが

1番心地いいんです。」

「そんなこと言っても給料はずまないよ?」

涼真の人気があるため 佐助さんはアルバイトとして

雇った。譜面をすぐ読めるので

バンドの欠員が出たときに埋め合わせる事も多い。
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