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オネエ様の城
第10章 出発
無茶苦茶な奴なんだけど

居なくなると寂しい。

部屋に帰ると辛い。

リビングでも

無意識に梨央のTV見てたときの定位置を見てしまう。

料理も特別美味しいと思ったことない

けど一緒に食べると嬉しくて。

1日も早く出ていってほしかった憎い奴だったのに。

この先もずっと一緒にいたいと思えた

初めての人なんだ。

居なくなって今更こんな事に気づくなんて

間抜けだな。

涼真は自宅の最寄り駅をはじめに

片っ端から探しはじめた。

梨央の服装や髪型の似た人を見つけると

焦って間違えて声かけたり

してしまった。

それでも声をかけられずには居られなかった。

梨央と外食した場所、買い物行った店…

無理があったのか1年は見つからなかった。
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