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愛しき俺の半身
第3章 妹だから…?
学校じゃ、相変わらずだ。
「急げよー。」
正門の前で当番をしている教師が叫ぶ。
時間きっかりで正門が閉じられる。
遅刻3回で1回の欠席扱い。
余りに酷いと指導を受ける。
一応、俺の場合、家庭事情を担任が把握しているからギリギリでも遅刻をしていないという事で問題にはなっていない。
「毎朝、ご苦労さん。お兄ちゃん。」
教室に入ると俺の前の席の怜太が言う。
「気持ちの悪い言い方をするな。」
怜太みたいな弟を持った覚えはない。
「昨日、あれからハンバーガー屋でBクラスの女子と会ったから星耶はシスコンの変態だから諦めろって話をしたんだよ。」
何の話を勝手にしてやがるんだ?
怜太には本当に呆れてしまう。
「そしたらさ、女子達が『ますます萌え!』とか言い出すわけよ?シスコンってモテアイテムなのか!?」
「知るかよ!てか、余計な事を言って煽るなよ。」
「煽ってねぇよ?シスコンの変態だって教えたら星耶の為になると親友として頑張った結果だぞ?」
「変態、変態と連呼すんな!」
担任が来たから怜太を前に向かせた。
昼休みには怜太と飯。
「男の弁当がオムライスって…、虚しすぎる。」
大袈裟に怜太が騒ぐ。
コンビニパンを毎日齧る怜太よりかは健康的だろ?
星桜に合わせるから女子弁と呼ばれる弁当になるのは仕方がない。
「パンじゃ足りない!お兄ちゃん!」
気持ちの悪いぶりっ子をして怜太が俺の弁当を狙う。
「学食に行って来い!」
怜太とのじゃれ合いにクラスの女子がクスクスと笑う。
「藤沢君と三上君は仲がいいね?」
藤沢は俺…。
三上は怜太。
「仲良くするなら木村さんの方がいい!」
話掛けて来た女子、木村 早苗(さなえ)に怜太が言う。
うちの学校じゃ、一番の美人。
怜太じゃなくとも木村と仲良くしたいと思う男はうじゃうじゃといる。
でも…、俺はこの女が好きじゃない。