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愛しき俺の半身
第4章 迷惑な女の子



星桜の朝飯が済むと3人で駅前に向かう。

大学までは3駅、またロードバイクで通う事になる。

工業大学…。

俺が目指すのは建築士と施工管理の資格を所持する設計士だ。

親父はちょっと有名な建築デザイナーだから海外でビルやホテルを建てる仕事をしている。

設計士になれば自宅で仕事が出来る。

星桜のそばに居てやれる。

子供の頃から親父には憧れている部分もある。

その為に選んだ大学だ。

駅前では怜太が手を振っている。

怜太の目標は映像技術…。

テレビ制作会社に行くのが夢らしい。

この大学からはアルバイトでテレビの世界に進む奴が多いからと怜太は同じ大学を目標にしている俺と仲良くなった。


「星桜ちゃんは相変わらず可愛いね。」


アイドル好きの怜太が星桜に声をかける。


「おはようございます。」


白いワンピースを着た星桜が丁寧に怜太に頭を下げる。


「うわーっ!?マジ…天使!悪魔なお兄ちゃんとは違い過ぎる。」


怜太が大袈裟に騒ぐ。

杏果がくすくすと笑っている。

星桜も怜太には笑う。

怜太は軽いが人一倍気を使う。

星桜が他人のスピードについて行けない子だと理解をしているから決して星桜を急かしたりはせずに星桜のペースに合わせて星桜を笑わせようとする。


「くだらない事を言ってないで切符を買うぞ。」

「もう買ってあるよ。」


怜太が4枚の切符を出す。


「帰りはお兄ちゃんが買ってね。」


ちゃっかりとしている怜太にある意味は感心をした。

改札を抜けて駅のホームで電車を待つ。


「足元に気を付けてね。」


怜太が星桜に注意をする。

本当は星桜には怜太のような男がいいかもしれないと時々思う。



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