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愛しき俺の半身
第4章 迷惑な女の子



それは、あくまでも恋人としてだけの話だ。

その先の結婚という生活などを考えるといくら星桜が可愛くとも、さすがの怜太もお手上げになってしまうはず…。

それに、多分、俺がその関係を許せないと思う。

星桜を他の男に取られるとか考えただけで狂いそうになる。


「星耶がいるから大丈夫…。」


怜太の気遣いに星桜はそう答えて俺にしがみつく。


「星耶のシスコン!」


怜太が悔しそうに俺を睨んでいた。


「なんとでも言え。」


笑って怜太に開き直る。

星桜は俺のものだから…。

星桜は俺自身だから…。

星桜の肩を抱いてそれを怜太に見せつける。

それがいつもの事だから怜太も笑っていた。

電車は少し混んでいて座る事が出来ない。

俺や怜太、杏果は普通につり革に掴まる事が出来るが星桜はつり革に手が届かない。


「掴まってろ。」


星桜を片手で抱き寄せる。


「うん!」


星桜はニコニコとして俺に掴まって来る。

電車が走り出す。


「星桜ちゃん…、大丈夫そう?」


俺の隣に居る怜太が俺が抱えている星桜を覗き込む。

141しか背丈がない星桜…。

まるで小学生並みの身体…。

俺がそんな星桜をそうやって抱きかかえていると変な目で俺を見る奴がたまにいる。


「3駅だけだから…、大丈夫だろ。」


そう答えた瞬間、急ブレーキがかかった。

キィィィー…!

嫌な金属音が耳に響く。


「ひゃんっ!?」


体重の軽い星桜が宙に浮いた。


「星桜!」


焦って捕まえようとした。

星桜は怜太がキャッチをする。


「っと危ねぇ…。」


怜太が星桜を抱えてそう言った。



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