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愛しき俺の半身
第5章 母親



1時間後、警察から釈放をされた。

もう夜…。


「星桜に…。」


会わせて欲しいと願った。

荒木先生が首を横に振る。


「病院の面会時間が終わっている。君の不安はわかるが今夜だけは辛抱をして欲しい。それから今夜はうちに来なさい。」


そう言われて荒木先生の自宅に連れて行かれた。

奥さんが俺に夕食を出してくれる。


「大丈夫よ。大丈夫だからね。」


優しい奥さんが俺の背中を撫でて来る。

俺と星桜の母親とは違うと思うだけで涙が出た。


「君のお父さんとは学生時代からの友人なんだ。」


荒木先生がそんな話を始めた。


「父さんと?」

「そう、だが学生時代はそんなに親しい友人ではなかった。親しくなったのは君達が生まれてからだ。」

「俺達が?」

「僕も双子だからね。」


荒木先生が照れくさそうに笑った。

俺達が生まれた頃に建築デザイナーとして成功をした親父は独立をした。

自分の会社の顧問弁護士に荒木先生を雇った。

あの母親との離婚も荒木先生とは何度も相談をしたらしい。

だけど海外にばかり居るから、離婚をすれば俺達の養育権が母親に取られる可能性があるからと結局は離婚に踏み切れなかった。

離婚の裁判には本人が出廷をしなければ、子供の養育権に無関心なんだと判断をされやすい。


「だから、君達の事をお父さんは常に君達の心配をしていた。幸い双子だから兄弟の結び付きが強く、君達は2人だけでよく頑張ったと僕は思っている。」


初めて星桜との暮らしを認めてくれる大人が居ると感じて涙が止まらなかった。


「君達が引き離されたりしないように僕もお父さんも頑張るから、君ももう少しだけ頑張るんだ。」


そんな風に励まされるとか思っていなかった。


「よろしくお願いします…。」


泣きながら、ひたすら荒木先生に頭を下げ続けた。



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