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愛しき俺の半身
第5章 母親
次の日はやっと病院に行けた。
だが星桜は眠ったまま…。
「星桜、ねぇ、起きて…。星桜…。」
星桜の顔を撫でてやる。
「錯乱をしていて、鎮痛剤で眠らせているんです。」
医者が荒木先生に説明をする。
「検査結果は?」
「警察に報告済みです。可哀想に…。」
何が可哀想なんだ?
面会時間が終わり、また星桜と引き離される。
「明日も来ればいいから…。」
荒木先生がそう言うから荒木先生とまた荒木先生の自宅へと戻る。
「落ち着いて聞いて欲しい。」
荒木先生が難しい顔で俺に言う。
「何をですか?」
「妹さんの体内に傷が出来ていた。妹さんは処女だったんだね…。」
全身の毛が逆立つ感覚がした。
「落ち着きなさい!だから、あの男は逮捕をされる。君はあくまでも妹さんの為に一時的に錯乱をしたとだけ証言をすれば自由になれる。」
「だけど!」
「君が逮捕をされたら誰が妹さんを助けるんだ?」
厳しい声で荒木先生に叱られた。
星桜は錯乱が酷いからと精神病院に移動する事になるらしい。
俺が逮捕されてしまえば星桜を助け出す事が出来なくなる。
「来週には君のお父さんも帰って来る。今度こそあの母親とは離婚が出来る。君達が助かるには、まず君が自由にならなければならない。」
今は荒木先生の自宅に居るから逃亡の恐れはないという扱いらしい。
警察が俺の無実を納得しない限り俺に自由はないと理解をした。
未成年だから…。
まだ保護者が必要だという状況だから…。
下手に俺が暴れたりすれば保護施設に閉じ込められる事になる。
「お父さんが帰って来るまで、僕が出来る限りの事をしてあげるから、しっかりとしなさい。」
荒木先生の言葉に今は従うしかなかった。