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愛しき俺の半身
第2章 星桜という女
家に着き、ロードバイクを停める。
玄関を開けてまず確認をするのは靴…。
学校指定の小さな革靴があればホッとする。
無ければ、再びロードバイクで家から飛び出す事になる。
「星桜!」
そいつの名前を呼んで家に入る。
リビングに入ると家から徒歩5分の女子高の制服が散らばっている。
Yシャツに靴下というだらしない姿の小さな女がソファーにうつ伏せで倒れている。
ふわふわの髪…。
「星桜?」
その髪を撫でてソファーの空いてる部分に座る。
「星耶…。」
半泣きの声…。
「星桜?」
「お腹…、空いたの…。」
半泣きでだらしない小さな女が言う。
その小さな女を抱き上げるようにして起こしてやる。
「エッグタルトを買って来た。」
「食べる!」
「ソファーでは食うな。」
小さな女が笑顔で頷いた。
小さな女は俺の妹…。
と言っても双子だから数分だけ俺が兄…。
双子で性別が別れたせいか俺は普通だったが星桜は未熟児で生まれた。
成長もずっと星桜の方が俺よりも遅かった。
今も星桜は他の女に比べれば、かなりおっとりとしている。
ダイニングテーブルに小皿を置いて星桜の好きなエッグタルトを置いてやる。
嬉しそうにする星桜が椅子に座る。
「あっ!?」
小さな悲鳴を上げる星桜が慌てて椅子から立ち上がる。
冷蔵庫の前に行き冷蔵庫から紙パックのジュースを出す。
ダイニングテーブルにジュースを置き、再び星桜が椅子に座る。
「あっ!?」
またしても星桜の悲鳴…。
こんな調子じゃエッグタルトを食うのに1時間はかかりそうだと思う。
「ジュースのグラスだろ?取ってやるから星桜は座ってタルトを食ってろ。」
「うん!」
ニコニコとして星桜がエッグタルトを食べ始める。