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告白の向こう側
第1章 告白の向こう側
俺が想いを告げたら────彼はどんな顔をするのだろう。
分からない────分からないけど
伝えたい。伝えなきゃ駄目だ。
靖友は部屋を飛び出し、全速力で廊下を駆け抜ける。
そして廊下の角を曲がり────エレベーターに乗ろうとする雅を視界に捉えた。
「雅っ!」
雅は驚いた顔をしてこちらを見ている────
その目には、涙がたまっていた。
────泣いているのを、初めて見た。
────ずっと一緒にいれたら、と何度も願った。
────自分が女だったら告白できたのに、といつも悩んだ。
けれど────
「雅……っ」
靖友は、雅の腕を掴んだ。雅の美しい漆黒の瞳が、真ん丸になる。
「お前にっ……伝えたいことがあるんだ……っ!」
────fin.