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再会 ∽∝∽初恋は実らず?∽∝∽
第2章 出逢い
仕事を終えて、僕は職場を後にした。
働かない、家の為にならない人間と評された僕は、出勤の際は最後まで職場にいて終電ギリギリまで残り、帰ることにしている。
風当たりが強いことは覚悟していた。
でも僕は生き方を教えてくれたあの人たちのために、自分の為に、そして僕の家族の犠牲となる人たちのために、この仕事をすると決めたのだ。
建物を出ると突然の雨。
自分にあてがわれた部屋に戻って傘を取ってきた。
梅雨入りかな。
あの地のこの季節を知らない。雨露に濡れた草花はどんな色を見せてくれるのだろう。
ふと、懐かしい景色と温かい一家が浮かび、心暖まる思いに浸ったが、
終電の時間が迫っていることを思い出し、建物を再び後にした。