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アゲマン!
第12章 最後の謎の答え…
結局は卒業式の当日、沙那と美春は2人で抱き合いワンワンと泣く醜態を晒す事になる。
その翌日、リンが沙那の前から姿を消した。
契約が終わったのだと1人になった沙那はホッとため息をついた。
さて、この先は何をしよう?
理奈に宣言した通り、沙那は自分探しの旅に出る事を決意する。
2ヶ月ちょっとのアルバイトで片道の交通費くらいの費用を沙那は自分の力で手に入れた。
その日の夜から沙那は荷造りをして飛行機のチケットの手配を済ませた。
1週間後…。
アメリカは西海岸…。
いわゆる高級住宅街と言われるビバリーヒルズの片隅の割と小さめの一軒家…。
小さな一軒家とはいえ、庭にはちゃんとプールが付いている。
そのプールサイドに設置されたカウチに寝そべりながら報告書を読む沙那が居た。
気温は日本よりも少し暑いと感じる初夏の陽気…。
ポカポカと沙那を照らす日差しの中で沙那は受け取った調査報告書を読み進める。
その調査は沙那がリンへ契約が切れる前にと依頼をしたものだ。
リンはその調査を快く引き受けてくれた…。
その調査はある人物についてだ。
近田 龍平…31歳。
妻子無し…。
父親は日本人、母親は台湾人。
アメリカ生まれ、アメリカ育ち…。
大学はスキップで20歳に卒業。
その後、海兵隊へと入隊。
5年の軍の生活…。
勲章授与は3回…。
退役後、軍の仲間と民間警備会社を設立…。
僅か2年で世界規模の警備会社へと発展させる。
その会社のクライアントには日本の警察も含まれるという規模の警備会社の代表が今の龍平の立場だ。
なるほど…。
沙那はこの半年に自分に起きた出来事を思い出す。
ふふふっと沙那が思い出し笑いをする。