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アゲマン!
第12章 最後の謎の答え…
その沙那の背後に男が忍び寄る。
カウチにうつ伏せに寝転ぶ沙那の髪を指先で分けると男が沙那のうなじにキスをする。
「くだらない調査をリンに頼みやがって…。」
沙那の髪に鼻を埋めた男が拗ねたように沙那が見ていた調査報告書を取り上げる。
「日本を出る前に教えてって言ったでしょ?」
平然とした沙那は可愛げなく答える。
「よりによってリンに頼むか?しかも、その調査依頼の依頼費の請求が何故か俺に来たぞ!」
不機嫌な男に沙那が顔を向ける。
「そのくらいは龍平が払ってくれるでしょ?」
沙那は龍平の唇にフレンチキスをする。
「リンに払うってのが嫌なんだよ…。」
リンの母親は龍平の母親の妹だ。
つまり、リンは龍平の従姉妹であり、龍平と軍でチームメイトだったロブに一目惚れをした為にイタリアからアメリカに来たという意外とはっちゃけた女性だった。
従姉妹という立場からリンは常々から龍平に
「余計な事は言うな。」
と怒られている。
だが、調査という形であればリンに龍平は文句が言えなくなると沙那に持ちかけたのはリンの方だ。
龍平からすれば、沙那を利用したリンにまんまと小遣いをせびられた気分だ。
「夕方からD.C.に仕事に行く…。」
沙那の首筋に舌を這わせて龍平が言う。
「行ってらっしゃい…。」
「お前も行くんだよ…。」
アメリカに来て1週間、龍平は片時も沙那を手放そうとはしない。
仕事であっても龍平が寝泊まりする場所に沙那を連れて行くという状況だ。
「なんで私が…?」
「お前が居ないとか考えられないからな。」
龍平がニヤニヤと笑う。
腹が立つ…。
「だったら、最後の謎の答えを答えて…。」
強気で沙那が龍平を責める。