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アゲマン!
第4章 答えが謎
沙那だって女である以上は愛も何も無い男と寝るのは嫌だと感じる。
だが、男がいくら沙那を愛していると言ったところでそれは沙那のアゲマン目当てではないかと不安になって来る。
龍平ですら、沙那にキスで試したとか言った。
今夜は男という生き物は危険なんだと沙那に教えながらも自分の願いがどの程度叶うのかと、また試すような素振りを見せた。
「あの人って最低ー!」
龍平のデリカシーの無さや部屋が汚い事を気にしないという、だらしなさに沙那の中で少しだけ龍平に対して芽生えていた憧れは一気に枯れてしまった。
それでも沙那はまだドキドキとかしてしまう。
自分が選ぶ男は自分だけを見てくれる男がいいと素直に思う沙那がその妄想の相手には何故か龍平を選んでしまう。
沙那があの店で出会った他の男はあくまでも沙那の能力目当てだと感じたせいだった。
龍平は理奈に雇われたとはいえ、沙那を守る事に対しては真っ直ぐに沙那だけを見てくれた。
「次の3連休…。」
また龍平に会える。
そう思うと遠足に行く子供のようにワクワクとしてカレンダーに印を入れたり、九州だから日帰りは無理だと言った龍平の言葉に
龍平と1泊とかするのなら…。
と沙那は妄想を膨らませ続ける。
恋愛経験が薄く、奥手の沙那には沙那よりも大人である龍平との妄想でいっぱいいっぱいになっていた。
「早く連休にならないかな…。」
理奈の遺した謎…。
半分は解けた気がする。
それでも、理奈が身内から家出をしたのだという新たな謎が産まれた。
何故、理奈は家出をした?
そして、沙那の父親は?
探偵であると名乗った龍平は理奈が雇ったボディーガードではあるが、本当はどういう男なのか?
謎が尽きないまま、沙那は前よりも好奇心が疼き、子供のようにはしゃいで過ごす日々が続いた。