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アゲマン!
第4章 答えが謎
沙那が感じれば感じるほど男の望みを叶えてしまう究極のアゲマン…。
その部分が今ひとつ沙那には納得が出来ない部分ではあるが、間違いなくそれが事実であれば危険極まりないと言える。
沙那を手に入れて交合えば、世界を手に入れた事と同じ意味を示す。
真希が祖父の話をしていた事を思い出すと沙那は色々な意味でゾッとする。
おばあちゃんは一体何人の男と寝たの?
母さんは一体何人の…。
考えたくなかった。
自分の肉親が売春紛いの事をしていたとか思いたくない。
肉親と言えば、まだ身内が残っている事実。
理奈は何故かその身内を危険だと言い、今までその身内から逃げるようにして避けて暮らして来たのは事実だ。
それに沙那の父親…。
理奈が寝た何人かの男の子供として父親もわからずに産まれたのが沙那なのか?
それとも理奈がこの人だけと決めた相手との子供だったのか?
もし、何人とも寝た為に父親が誰かすらわからずに産まれた存在が沙那だとすれば、沙那には悲し過ぎると思った。
ただ、沙那が知る限り理奈は沙那と同じで潔癖なところがあった。
だから無闇に男と寝るような母親ではなかったと信じたかった。
沙那が草太と初めての恋愛をした時も理奈は少し神経質そうに
「まだお互いが学生なのだから節度あるお付き合いをしなさい。」
と言うくらいだった。
草太と別れた時も
「心配はしなくていいの。沙那には沙那が決めた大切な人が必ず出て来るのだから…。」
と言った。
珍しく母親らしい事を理奈から言われて沙那は照れ臭くなった覚えだけはある。
私が求める人を探せ…。
理奈の遺言の意味を改めて考える。