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降っても照っても曇っても(くすくす姫後日談・その4.5)
第3章 降っても、照っても、曇っても
けれど、99人目のお見合い相手だったタンム卿でさえ、遠方に住み父親と兄の片腕として働いては居るものの、家は兄が継げば良いということで、婿入りしても何の不都合も無い人物だったのです。
慎重に選んだお見合い相手の条件を満たさない人物を姫が選ぶということは、誰にとっても想定外でありました。
「お前には済まねぇと思ってる」
「どうして?」
「俺はお前を手に入れるだけだが、お前は離れなきゃならねぇ物が多すぎるだろ。どう考えても、不公平だ」
「そんなの…だって、私も…私が、サクナと一緒に行くって決めたんだもの」
「それでもだ。 淋しくさせて辛い思いをさせることが分かっていても、 俺はどうしてもお前に傍に居て欲しい」
サクナはそう言うと、姫の髪に頬擦りしました。
「勝手な奴だろ?狡ぃよな」
それを聞いた姫は、ううん、と首を振りましたが、サクナはそれには答えずに、呟き続けました。
「ひでぇ話だ。だからって訳じゃねぇんだが、」
薄く笑って姫をきゅっと抱き締めると、髪に口づけて言いました。
「降っても照っても曇っても、お前を一番大事にする。」
慎重に選んだお見合い相手の条件を満たさない人物を姫が選ぶということは、誰にとっても想定外でありました。
「お前には済まねぇと思ってる」
「どうして?」
「俺はお前を手に入れるだけだが、お前は離れなきゃならねぇ物が多すぎるだろ。どう考えても、不公平だ」
「そんなの…だって、私も…私が、サクナと一緒に行くって決めたんだもの」
「それでもだ。 淋しくさせて辛い思いをさせることが分かっていても、 俺はどうしてもお前に傍に居て欲しい」
サクナはそう言うと、姫の髪に頬擦りしました。
「勝手な奴だろ?狡ぃよな」
それを聞いた姫は、ううん、と首を振りましたが、サクナはそれには答えずに、呟き続けました。
「ひでぇ話だ。だからって訳じゃねぇんだが、」
薄く笑って姫をきゅっと抱き締めると、髪に口づけて言いました。
「降っても照っても曇っても、お前を一番大事にする。」