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夢…獏の喰わぬ夢
第7章 現在
先には小高い丘が見える。
「いよいよ探検っぽくなってきたわね。」
彼女は嬉しそうだ。そこは一面桜の樹が生えている。
「春にはここでお花見ね。」
彼女は道を外れて木々の間をあちこち行く。
「意外とタフなんだね。」
「通学で何キロも自転車こいでいたから。」
丘を下っていくといつもごろっとしてる場所に出た。
「ここなんだ。じゃあ探検終わりだね。」
僕は、次のことを考えていなかった。
「今日の夕飯の分まで買い物してあるの」
自分が怠け者になっている気がした。
「僕から言い出して、君の時間をもらったのに、悪かった。」
「謝ることないよ。美味しいパスタの店を教わったし、
公園がこんなに素敵な場所だと知ったし、
それに、、あなたと沢山イイコトしたし。」
彼女が悪戯な瞳で覗き込む。
「それが目的みたいになってしまったようでさ。」
「後悔してるの?イヤだった?私は良かったわ。」
情けない男だな‥。自分を省みていつも思う。話しながらアパートまで戻ってきた。