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夢…獏の喰わぬ夢
第7章 現在
「いいけど、電話や携帯持っていないのよ。必要ないし不便だわ。」
彼女らしい。
確かに僕は携帯を持っているが、
たまに、実家から連絡がくるぐらいで、
それも億劫で急ぎ以外はメールで連絡とるようにした。
たまにちゃんとやっているか気になるだけなんだろう。
メールで連絡がくることすら、ほとんどなかった。
携帯のアドレスを交換する相手もなく、持っているとそれがむなしい、不便なものだ。
「pcのアドレスで良ければ、」
彼女がメモをくれた。
僕も連絡先をメモして渡した。
「でも、どうしてもメールで連絡が必要になるほどのことなんてそうそうないし、そうなったら終わりよ。」
確かに、毎日一緒にいて
話ができるんだ。
「そうだね。」
2人で玄関を出る。鍵をかけようとすると彼女がキスしてきた。
長い間キスしていた。
もう一度鍵を開けて部屋に連れ戻したいのをこらえて、唇を離し手を繋いだ。
彼女もそう思ったかもしれない、でも、自分が止められなくなってしまう。
握る手に力が入るが駅まで向かった。
「週末はいつも何してるの。」
僕は尋ねた。