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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
僕が居なかったら、どこに座るのだろうか?
他の男に、
「隣で寝てしまうけど、」
と言ってしまうのだろうか?
まるで、もう付き合っているかのような独占欲に駆られ、電車では、ちょうど隣の駅で乗ってこないか?などと、一人で焦っていた。
希望をよそに、教室に入るまで彼女に会うことはなかった。
そうだ、僕も彼女も目立たないように端の席には座らない、だから今日は彼女の隣の端に僕が座ればいい!!
自分のポリシーを捨ててでも彼女の隣に座りたい僕がいた。
教室に入ると、まさにギリギリで、いつものように、目立たない席を探す余裕などない。
すると、僕の天使は、目立たず僕にだけは輝いて見えた。
そして、手招きしてくれた。
滑り込むようにして彼女の隣に座った。