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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化
「えっ?僕のところに留まっていてくれよ。
訂正する!天使だ。」
「えっ?」
彼女はわざと聞こえない振りをしてる、悔しいけどもう一度言った。
「君が何ものだろうと僕にとっては天使だ!」
彼女が立ち止まり、小さな声で、
「ありがとう。嬉しい。ありがとう。
ずっと天使で居続けたいわ。」
と答えた。
僕たちは、結局、「好き」「愛してる」などの直接的な表現はしなかった。
だから、たぶんこの会話がお互いの想いをはっきりさせた最初の言葉だった。
不思議で、不自然で秩序のない始まりだったと思うが、
あえて彼女に確認しなくても、この会話がそうだったと言うだろう。
ますます、ギリギリになり、僕は彼女の手を取って走り出した。
夢で見た光景、エデンの園を逃げ出す二人、僕は彼女を置き去りにした。しかし、悪夢に捕らわれることはなかった。
僕は教室まで彼女の手を握り、呼吸を整えて席を探す。
ちょうどよい所にいくつか並んで空いている、間に合った。
席について彼女と目で合図する。良かった。
しかし、それでも、彼女は要塞を築き上げ、眠りについた。
仕方ない、それは彼女の仕事、僕は自分に言い聞かせた。