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夢…獏の喰わぬ夢
第1章 春

明日に伸ばしたら、彼女は隣に座らなくなるかもしれない。

僕は咄嗟に、
「僕も何か買うから今日一緒に…」
と答えていた。

キャンパスを出て近くの公園に行った。自分から誘ったくせに、何からどう話したらいいのか全く考えてなかった。

名前、出身地、何故この大学を選んだか、無難な会話から始めようかと考えていると、

「夢よく見るほう?」
と彼女の方から話し出した。

「夢?眠って見る夢?」

「そうね。将来の夢とか、アメリカンドリームとか、まだ先の実現していない希望も夢って言うわね。
どの言語でも、二つの意味に同じ一つの言葉を遣うのかしら…
きっとそうね。」

お互い専門科目でなく、答えがこないとわかってか、彼女は独り言で疑問を終わりにした。

そして
「そう、眠るときに見る夢の方…」
と、途切れてしまった会話を繋いでくれた。

「夢の話なんて人としたことないから、よく見る方かわからないな。君は?」
と言ってから自分の頭の中で、[あれだけ眠り続けるんだ沢山見るんだろうね!]と呟いた。

「そうよ。夢をみるために大学に入ったの、だから、眠り続けてるの。これからも邪魔が入らないように協力してね。」
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