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夢…獏の喰わぬ夢
第1章 春
『あなたのことも嫌いじゃない。』
とは、好きだったのか?
嫌いには属さないというだけだったのか?
午後のどうでもよい講義の為に話を切り上げたりせずに、あの時、きちんと訊いておけば良かったのだ。
午後の講義も、二人で並んで受けたが、
もちろん彼女はいつものように、眠り続けた。
騎士を頼まれた僕は、一回のランチじゃ、彼女が、隕石や災難をもたらすものでないということしか分からずじまいだった。
身に危険を及ぼすものでない安心感はあったものの、
何故、僕の隣を選んだのか?
夢の為に大学に入るとは、就職とか将来のことは関係ないのか?
謎を解明しなければという思いでいっぱいだった。
おかげで、どうでもよい講義はあっという間に終わったが、
とりあえず、明日の約束だけをして、
この後の彼女の予定を聞くなんて浅はかな行動は、慎もうと決めた。