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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
不思議な夢をみた。
歴史上の人物が沢山いる。
あのプライドの高い講師も、廊下でガッツポーズした学生も、知っている顔ぶれだけでなかった。
自分自身をもう一人の僕が見ている。見られている僕は現実の僕らしく無様だった。
見ている僕は、奴にアドバイスする。
「落ち着け、周りを見て悲観的になることはない。お前は、彼女を知っているんだ。怖じ気づくことはない。」
沢山の人達は、それぞれの言語で意志の疎通を図ろうとする。無論通じない。
皆が自分の言い分だけを主張したがって叫んでいる。
聞いてとりなすものがいないので混乱している。
中心に長い螺旋階段があり天まで届くような高さがある。
どうやら皆その階段の入り口を探しているようだ。
皆が向かうので、僕もそこを目指す。
人に押されて進めない。言葉と思いの混乱を整理する人が必要だった。
僕は思った。彼女しかいない。
僕は沢山の人の中に彼女を捜す。眩い光がさして皆が歓喜の声を上げた。
どうやら入り口を見つけたものがいたようだ。