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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
「いいこと言うわ。宇宙、まさにそうよ。そして、永遠と永久を使い間違えているところがなおさらいいわ。」
確かに時間と空間を使い間違えた。
そこがいいなんて。
とても現実離れした話で、僕のちっぽけな想像力と経験では理解不能だと思った。
「もう一つの宇宙、宇宙より広がり続けている宇宙。何処にでも何時にでも、幾つでも存在できる」
「幾つでもって?」
「同時に幾つでも何人にもなれるのよ!」
それは、今朝、夢の中に君と僕が2人ずついたことか?
「君はどんな夢をみてるのかい?」
「今、知りたいのは私が見た夢でなく、自分の見た夢の意味でしょう?」
とうとう彼女は核心に触れた。僕は見たまま、感じたまま不思議な悪夢のことを洗いざらい話した。