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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
「また同じ夢を見て、もう一人の私になって、何度でもやり直すわ。
でも、あなたが、今、私を必要として、私を離したくないと思っていること。
夢の中でなく現実のあなたが…
それは確かね。」
僕は夢の話を通して、彼女への想いを告白していた。
僕は、現実に運命に引き離されるように、彼女を失ってしまうのだろうか?
僕の目から涙が溢れた。
空を見ている彼女に気づかれたくない、拭えずにそのまま静かにしていた。
「あなたの気持ち、伝わっているわ。
私も、私は、初めて隣の席に座った時から、ずっと、同じ想いであなたを待っていたの、
あなたが居ないなんて耐えられないわ。」
彼女は僕の涙を知っていた。
僕にかがみ込むようにして、涙をキスで拭い取った。
後から溢れる次々の粒を優しいキスで受け止めてくれた。