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夢…獏の喰わぬ夢
第1章 春
彼女には申し訳ないが、彼女の料理の腕前なんて興味もなく、
僕は、彼女の不思議な話題と、夢の中の彼女の追求に夢中だった。
今日は、彼女がランチの場所を決めた。
大学から少し離れた公園だったが、人も少なく広々していて、落ち着いて話すにはちょうど良かった。
彼女が用意したのは、サンドイッチだった。
「お口に合わなかったら遠慮なく言ってね。」
と渡されたが、
興味や期待しなかった自分はなんて失礼な奴だったろうか。
母親以外の手作りの味を知らないとは言え、お世辞なしで、
「美味しい。」
と自然に言葉がでた。
「君の料理を食べさせてもらった男は他にいるんだろうか?」
頭の中に留めるのを忘れ、つい口にしてしまった。
「いないわよ。あなたが初めて、」
初めて‥嬉しい返事だった。
そして、感情や理屈抜きにもっと彼女のことを知りたいと素直に思った。
「夢を見る為に大学に入ったってどういう意味なんだい?」