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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
部屋にでると彼女は鞄から僕のシャツを取り出した。
「このシャツ、ここの部屋着にしていいかしら?」
「どうぞ、もう君のシャツだから。」
僕達はベッドに横になった。
僕も服を着ようとした。
「Gパンだけがいいよ。」
「えっ…」
「シャツは着ないで。」
彼女は逆に僕のシャツしか着ていない。
彼女の言う通りにして僕達はベッドに横になったのだ。
「あの、夢の話だけど、僕の今朝の…」
「夢は現実に持ち込んで教訓にするのはいいけど、
引きずって現実を縛るのは、良くないわ。
現実もその夢も制限してしまうから。」
僕は、この時、彼女が言う意味を理解して、しっかり心に刻んでおけば良かったのだ。
後でこれほど悔やむことになるのだから。
しかし、その時の僕は違うことを言おうとしていて、彼女の言葉を深く理解しなかった。