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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「なるほど…そりゃ道理だな」
「道理じゃない!朝から脱がすのは、道理じゃないっ!!」
やいやい言っているスグリ姫と考え込んでいるサクナを見て、バンシルは真顔で言いました。
「それに、ドレスを着た姫様が綺麗すぎて、本当と思えないんですよね?ご自分の手で脱がせたら、いつもの姫様なのがはっきり分かるでしょうから、あんたも正気に戻るんじゃ無いですか?」
「バンシル、それ、戻らない!戻らないから!戻らないで別の方向に正気じゃなくなるだけだから!」
「なるほど…そりゃ名案だなあ」
「お褒めの言葉をありがとう御座います」
うんうん頷き合う婚約者と侍女を見て、姫は涙目で訴えました。
「名案じゃ無い!朝から脱がすのは、名案じゃ無いっっ!!お願い、二人とも、正気に戻ってぇええ!!」
「姫様?私はいつでも正気ですよ?」
「奇遇だな、俺もだぞ?」
「え…そう…?そうなの?……そう言えば、そうかも…?」
素直で単純でちょっとお馬鹿な姫は、腹心の侍女と愛する婚約者の言葉に、んー?と考え込みました。
その間、サクナはドレスの構造を確認する様に姫の体を撫で始め、バンシルはドレスを抱えて、失礼します、と頭を下げかけて、あ、と言いました。
「御当主様」
「何だ。やっぱり脱がさねぇ事にしたのか」
「え!助かっ」
「いいえ、御礼を忘れておりました。姫様とお二人からの贈り物のお気遣いを、ありがとう御座います」
「え?ちょっ」
「ああ。お前にゃ世話になりっ放しだからな、そんな物じゃ到底足りねぇが」
「え!えっ、えっ」
「当日はこのドレスを身に着けて、姫様の晴れ舞台の付き添い役を、精一杯務めさせて頂きます」
「きゃ!やっ、ちょ」
「ああ。宜しく頼む」
「ふぇっ!ぅわ、わ」
「一つだけ、お忘れにならないでくださいね」
「何だ?」
「ゃん!ちょ、見えっ」
「今ドレスを汚されたら、どんなに腕の良い洗濯屋に頼んでも、御披露目には間に合いませんよ」
ではごゆっくり、と頭を下げて、バンシルは心尽くしの贈り物を手に、主の部屋を後にしました。
「良かったな、ドレスぁ喜んで貰えたみてぇだな…あいつへの感謝と労いにゃあ、まだまだ足りねぇが」
「ちょ…!待って待って待って!やっぱり、なんか違う!」
「何がだ?脱がせ方か?」
「ちがっ…脱がせる、のが、そもそも、違っ」
着々とドレスを脱がされて、スグリ姫はじたばたしました。
「道理じゃない!朝から脱がすのは、道理じゃないっ!!」
やいやい言っているスグリ姫と考え込んでいるサクナを見て、バンシルは真顔で言いました。
「それに、ドレスを着た姫様が綺麗すぎて、本当と思えないんですよね?ご自分の手で脱がせたら、いつもの姫様なのがはっきり分かるでしょうから、あんたも正気に戻るんじゃ無いですか?」
「バンシル、それ、戻らない!戻らないから!戻らないで別の方向に正気じゃなくなるだけだから!」
「なるほど…そりゃ名案だなあ」
「お褒めの言葉をありがとう御座います」
うんうん頷き合う婚約者と侍女を見て、姫は涙目で訴えました。
「名案じゃ無い!朝から脱がすのは、名案じゃ無いっっ!!お願い、二人とも、正気に戻ってぇええ!!」
「姫様?私はいつでも正気ですよ?」
「奇遇だな、俺もだぞ?」
「え…そう…?そうなの?……そう言えば、そうかも…?」
素直で単純でちょっとお馬鹿な姫は、腹心の侍女と愛する婚約者の言葉に、んー?と考え込みました。
その間、サクナはドレスの構造を確認する様に姫の体を撫で始め、バンシルはドレスを抱えて、失礼します、と頭を下げかけて、あ、と言いました。
「御当主様」
「何だ。やっぱり脱がさねぇ事にしたのか」
「え!助かっ」
「いいえ、御礼を忘れておりました。姫様とお二人からの贈り物のお気遣いを、ありがとう御座います」
「え?ちょっ」
「ああ。お前にゃ世話になりっ放しだからな、そんな物じゃ到底足りねぇが」
「え!えっ、えっ」
「当日はこのドレスを身に着けて、姫様の晴れ舞台の付き添い役を、精一杯務めさせて頂きます」
「きゃ!やっ、ちょ」
「ああ。宜しく頼む」
「ふぇっ!ぅわ、わ」
「一つだけ、お忘れにならないでくださいね」
「何だ?」
「ゃん!ちょ、見えっ」
「今ドレスを汚されたら、どんなに腕の良い洗濯屋に頼んでも、御披露目には間に合いませんよ」
ではごゆっくり、と頭を下げて、バンシルは心尽くしの贈り物を手に、主の部屋を後にしました。
「良かったな、ドレスぁ喜んで貰えたみてぇだな…あいつへの感謝と労いにゃあ、まだまだ足りねぇが」
「ちょ…!待って待って待って!やっぱり、なんか違う!」
「何がだ?脱がせ方か?」
「ちがっ…脱がせる、のが、そもそも、違っ」
着々とドレスを脱がされて、スグリ姫はじたばたしました。