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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「俺も良く知らねぇんだが、こういう意匠の装飾品が流行った時期が有ったらしい。どっちもその頃の物だから、似てるんじゃねぇかって話だったな…似た様な装飾品をお持ちの方が、以前そう教えて下さった」
「そうなの…着けてみても、良い?」
「ああ。お前が良ければ、着けてくれ」
サクナが頷いてくれたので、スグリ姫は飾り櫛をデイジーの勧めてくれた辺りの髪に挿しました。

「まあ…本当に、お揃いみたいね!」
「そうだな。こうして見ると、元々揃いの装飾品みてぇだ。それに、すげぇ良く似合ってる…しかし、何だか悪ぃな」
「え?どうして?」
「や…俺の勝手で、お前にお古ばっかり押し付けちまって」
「サクナ。」
「何だ?」
「謝って。」
「え?」
サクナは姫が珍しく低い声で言ったのを聞いて、そんなにこれが嫌だったのかと思いました。

「私のおとうさまとおかあさまに、謝って。」
「お前の…王様と王妃様にか?」
「違うわ。先代の当主様と、サクナのお母様によ」
「え…」
「先代様はサクナの義理のお父様だから、私の義理の義理のお父様だし、サクナのお母様は、私の義理のお母様よ?お二人が遺して下さったものを身に着けて婚約者のお披露目に出られるなんて、私、凄い幸せ者だと思うわ。だって、お金で買える物じゃ無いんだもの」
「スグリ…」
「それなのに、お古なんて失礼な事言う人には、謝って貰わないといけないわ。私に謝らなくてもいいけど、私のお義父様とお義母様には、ちゃんと謝って」
「…悪かった。もう言わねぇから、許せ」
サクナは姫を緩く抱くと髪と飾り櫛をそっと撫で、目を閉じてしばらく髪に顔を埋めました。

「分かってくれた?なら、許してあげる」
スグリ姫は鷹揚そうに宣うと、ふふっと笑って婚約者をきゅっと抱き返しました。

「先代様と、お母様と…サクナの大事な人達に、一緒にお祝いして貰えるなんて…すごーく、嬉しいわ」
「ああ…お前は、そういう奴だったな…」
サクナは紅が落ちない様に唇を避けて姫の頬に口づけてから姫の右手を取って、指輪と手の甲に恭しく口づけました。

「そろそろ行くか」
「うん」
サクナは姫を抱いている手を解き、額に口づけて微笑みました。

「嫁御様の登場を、お客様がお待ちかねだ」
「…ええ。参りましょう、旦那様」
姫は輝く様な笑顔で微笑むと、愛おしい婚約者の差し出した手を取って、一緒に歩き出しました。
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