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イかせ屋…2
第4章 その男、弱い生き物につき…
「今夜はダメ!」
「梓…!?」
「ダメったらダメなの!」
「梓…。」
捨てられた仔犬のような顔をして昌さんがしょぼくれる。
今夜は初めて昌さんを拒否する。
「なんで…?」
信じられないとばかりに昌さんが聞いて来る。
別に喧嘩とかした訳じゃない。
さっきまではラブラブで昌さんと一緒にお風呂にも入ったし、パイパンまんこのお手入れも念入りにして貰ったくらいです。
それでも…。
ベッドに入るなり顔中にキスを始めた昌さんを今夜の私は拒否する。
「明日は本家に行くのでしょ?寝不足の恥ずかしい顔で行くとか絶対に嫌なの!」
「そんな事を梓が気にする必要はない!」
「昌さんは気にしなくても私は気にするの!」
「梓…。」
「大体、昌さんって簡単にイッてくれないし…。」
「………。」
「もしかして…、私ってあんまり気持ち良くない?」
昌さんが驚きに目を見開く。
「違うぞ、梓!それは絶対に違う。」
「でも…。」
「逆だ…、気持ちいいんだよ。だから、簡単にはイキたくないんだ。1日中、24時間でも梓の中に居たいと思っちまうから…。」
だから、イかないイかせ屋さんの出来上がり?
どんだけ私の事が好きなのよ…。
笑っちゃうし呆れちゃうけれど幸せで嬉しいとは思っちゃう。
「梓が居ないと不安なんだ…。だから梓と早く結婚をしたいと思ってる。」
初めて見せてくれる昌さんの弱音。
いつも紳士でスマートな昌さん。
私の我儘なんか簡単に聞いてくれる昌さんなのに私が拒否しただけで簡単に弱音を言うほどに傷つくのだと思う。
「愛してる…。」
そう言って昌さんにキスする。
少しでも昌さんを傷つけるのは嫌だと思う。